独習法と明記してあるものは心が惹かれる。認知科学の研究者が英語学習の合理的な方法を提案した本である。認知科学は人の知覚や記憶、思考や学習の仕組みを心と脳の様々なレベルで理解しようとする学問。認知の仕組みから学習法を見直し、理由としくみを理解することで使える範囲を実用レベルに自分で広げていくことを、英語学習において具体的に提案した内容である。『「わかりやすく教えれば、教えた内容が学び手の脳に移植されて定着する」という考えは幻想であることは認知心理学の常識なのである。』と認知の仕組みを反映した学習法や指導法の重要性を説明している。非常に共感すること、学ぶことが多い本でした。私の英語学習において感銘を受け成績の上昇をもたらした参考書は、伊藤和夫著「英文解釈教室」をあげる。ラジオ講座でも先生の落ち着いた解説は、アカデミックな文意を単語や文化のレベルに意識を深く引き込んだ。なんでも読んでいける気にしてくれた。この参考書で挫折するものも多かったので、現在の入試レベルでは必要ないのかもしれない。しかしこの英語独習法と英文解釈教室は大学入学後に読んで頂きたい本である。
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